2012年11月14日

In The Pines

素晴らしいトラッド曲第2回は"In The Pines"を紹介します。
"Where Did You Sleep Last Night?"や"Black Gal"のタイトルでも知られている、19世紀頃出来たアパラチアン・トラッド。
色々な歌詞のバージョンがありますが、一般的なのは以下のものです。

In the pines, in the pines, where the sun never shines
I shivered where the cold winds blow
In the pines, in the pines, where the sun never shines
I shivered where the cold winds blow

Little girl, little girl, where'd you sleep last night?
Not even your mother knows
I stayed in the pines, in the pines, where the sun never shines
I shivered where the cold winds blow.

The prettiest girl that I ever did see
Lived in the Georgia pines
And the only girl that I ever did love
I knew she'd never be mine

In the pines, in the pines, where the sun never shines
I shivered where the cold winds blow
In the pines, in the pines, where the sun never shines
I shivered where the cold winds blow

最愛の女性を失った、又は失いかけている男が寒さに震えるという救いようのない内容。基本的にメロディはずっと同じで、松の林と冷たい風というイメージを中心に進んでいきます。
歌詞の内容には諸説あって、黒人女性が兵士にレイプされ松林に逃げ込んで云々という内容が基になっているとか、"The longest train I ever saw〜"といった内容が入るTrain Song的な歌詞の場合もあったりとか、様々なケースがありすぎてよく分からない状態になっているのですが、いずれの場合も報われない男性が主人公です。
ちなみにTrain Song歌詞バージョンだとこんな感じ。Tenneva Ramblersの演奏で、いかにも1920〜30年代のアパラチアンという内容。



以前Doc Watsonを見た際もこの曲をやってくれて、歌詞とは裏腹にのんびりした演奏で印象的だった覚えがあります。Bill Monroeの録音が有名ですが、その流れの解釈。



なんとも気楽な感じです。
一方でLeadbellyの録音も有名ですが、こちらの方が歌詞の内容がよりリアルに伝わってきます。メジャーとマイナーが無秩序に交錯していてとてもドロドロしていて怖い。
"My girl, my girl, don't lie to me, tell me where did you sleep last night?"というフレーズには殺意すら感じます。御大が前科持ちだからというのもありますが。



御大はしばしば"Black Gal"というタイトルでこの曲を演奏していました。
ほぼコピーでこんな人もこの曲を演奏してます。



そういえば演奏前のMCでKurtは作曲がLeadbellyと言ってましたが正確には間違い。ただこの曲を有名にしたのはLeadbellyだし、このドロドロ感は御大特有のものなので、作曲したと言っても何ら差し支え無いかもしれません。


歌詞もたくさんバリエーションがあり曲の捉え方もそれぞれ違うが、この曲のブルーな部分はどれもキッチリと捉えていて、要はそれさえ出来ていればあとは正直なんでも良いのです。
Dolly Partonなんかは"my gal"を"my love"と彼氏に置き換えてLeadbellyとは対照的なラブソングに仕立て上げていますが、それで感動する人がいるならそれで良い。
そうやって色々な人間に揉まれながらトラッドは受け継がれてきたし、これからもそうあるべき。
posted by afroblues at 00:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 素晴らしいトラッド曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月13日

Hidden Place

あまり目立たないが素晴らしいトラッドの曲を、録音と歌詞付きでたまに紹介してみようと思います。
初回は"Take Your Burden To The Lord And Leave It There"。若干有名ではありますが。


「ゴスペル音楽の父」の一人だと言われているCharles A. Tindleyが1916年頃作ったスピリチュアル。
フィラデルフィアの教会で牧師をしていた際、彼に悩みを打ち明けてきたメンバーに対しての、"My ad-vice to you is put all your trou-bles in a sack, take ’em to the Lord, and leave ’em there."という答えがこの曲の基になっているようです。


If the world from you withhold of its silver and its gold,
And you have to get along with meager fare,
Just remember, in His Word, how He feeds the little bird;
Take your burden to the Lord and leave it there.

(Refrain)
Leave it there, leave it there,
Take your burden to the Lord and leave it there.
If you trust and never doubt, He will surely bring you out.
Take your burden to the Lord and leave it there.

If your body suffers pain and your health you can’t regain,
And your soul is almost sinking in despair,
Jesus knows the pain you feel, He can save and He can heal;
Take your burden to the Lord and leave it there.

(Refrain)

When your enemies assail and your heart begins to fail,
Don’t forget that God in Heaven answers prayer;
He will make a way for you and will lead you safely through.
Take your burden to the Lord and leave it there.

(Refrain)

When your youthful days are gone and old age is stealing on,
And your body bends beneath the weight of care;
He will never leave you then, He’ll go with you to the end.
Take your burden to the Lord and leave it there.


"Leave it there"という語呂の良さで既に勝負が決まったようなこの曲。サビはメロディも良いしコール&レスポンスもしやすいし、なによりこのフレーズをリフレインするとある種の身体的な快感が得られます。インストでもやりやすい。
録音は結構多いですが、個人的にはBlind Connie Williamsのものがベストです。
がYouTubeになかったので、次点のWashington Phillipsのものをどうぞ。



ちなみにBlind Willie Johnsonがやるとこんな感じになります。サビ頭が4度になっている。




ちなみに作曲者のTindleyは"I'll Overcome Someday"という曲も作っていて、これを基にしてPete SeegerやGuy Carawanが1960代に"We Shall Overcome"を作り、歌っていたようです。
"By And By"や"What Are They Doing In Heaven Today"もこの人の作だし、ゴスペルだけではなくその後のアメリカ音楽全体に大きな影響を与えた一人であることは間違いありません。
とこんな感じでたまに紹介していきますよ。


蛇足気味ですが12日からダニースミスの2ndアルバムがJET SETから先行発売されてます。
良い物出来たので、ぜひ聴いてみて下さい。
posted by afroblues at 00:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 素晴らしいトラッド曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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